第42回豊島稲門塾(令和6年9月6日)

 暑い夏の終わり、9月6日に「(宇宙)放射線測定から紐解く、ダマされないためのメディア・リテラシー」と題して、第42回稲門塾を開催しました。

講師は、豊島稲門会の会員である寺島和洋さんでした。寺島さんは1995年に早大高等学院を卒業し、早大理工学部応用物理学科卒業、理工学総合研究センターを経て、現在は慶応義塾大学医学部助教をされています。宇宙航空研究開発機構の客員研究員など様々な分野で活躍されており、主な研究歴は、素粒子・原子核・宇宙物理実験溶液希ガス検出器の開発など。趣味は多彩で、麻雀のほかに音楽の造詣が深く絶対音感を持たれているそうです。

さて、講演内容ですが、宇宙の放射線の測定の仕方や、その精度について、いつ、どこで、どのような目的で、どのような測量機器を使うかによって数値が異なることがある。精度の低い線量計であっても、日々の相対的変化を知るという目的なら活用できるが、きちんとした数値は精度の高い機器である必要がある。しかし、その機器に間違いはないか?と検証することが重要である。そもそも何事にも数値を計量する「はかり」が正確なものであるか?検証しなくては正確な数値はわからないと話されました。同様にメディアが伝えるニュースなどの情報は、本当に正しいのか?テレビのコメンテーターが言うことを真に受けてよいのか?常に検証する必要がある。どの局面から事実を見ているのか、見る局面から「事実」と思われることが異なることもある。ワイドショーのニュースやコメント、YouTubeなどから伝わることへ、「これは本当なのか?」と疑うことの必要性が、メディア・リテラシーであることを話されました。

講演後の質問で「私は、ほぼ自分の直感・感性を大事にしてきたが、どうだろう?」という発言に、寺沢さんは「そういう直感が的を射ていることは、往々にしてあるものだ」と答えられていました。

終了後は、恒例の「ライオン」でビールなどを飲みながら、講演について語りあいました。ちなみに、寺沢さんは「タバコ・酒・スマホは好まない」と言うことですが、ウーロン茶で多くの先輩と交流されていました。

                     1972年教育 山口菊子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です